川喜多喬&アソシエイツ

川喜多喬
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牛久の雑談2005 プリント
おばさんを食ってはいけない
これはスチーブン・アーノットの著書の題である。古今東西の奇習を集めた本で、世の中にはおばさんを食っても良いってところがあったようだ。しかし今、奇習と書いたが、とうの人々は大まじめであったに違いない。16世紀の欧州では、猫の肉を生で食うと喘息が直るとされていた・・・としても本人達は奇習とは思っていない。講演で壇上に上がる者が造花を胸につける、私は奇習と思う。テレビで事件事故があるたびにタレントなど素人が集まって評論をする、これも私は奇習と思う。大学がある、ってのもたぶん奇習だろうな。日記を公開して喜ぶブログも奇習だし・・・。先ほどまでダーツの旅とか言うテレビをのぞき見していたが、老人、村人を突然インタビューして奇妙な行動をしたとスタジオで笑い転げる・・私は怒り狂って書斎に逃げてきたところだが、スポンサーは奇習と思っていないんだろうな・・。しかし・・人を喰ってはいけませんよ。
▲ 2005-12-28 [私の雑談]牛久の雑談

言葉に酔う
イギリスで、教会のポスターに、かようなものがあった。「一人で思い詰めたまま死んではいけません。教会が援助いたします。」
言葉一つで誤解が生まれる。読売新聞校閲部、2004、『日本語「日めくり」一日一語 第2集』を読んでいたら、昔、同居人・居候は「家に居た」ので「やか(家)い(居)」と呼ばれていたのに、誰かがどこかで「厄介」という漢字をあててそれが広まり、昔の「大家族主義」時代に家にいた様々な同居人の肩身が狭くなってしまった、と碩学、柳田国男が怒り狂ったとか。老人が厄介者扱いされるようになったのも、漢字への飜訳の影響かも知れないとすれば下手に飜訳をしなければいいとは思うが、とはいえ、私の専門の人材育成論議の世界ではカタナカ用語が多すぎる。コンサルタント、カウンセラー、アドバイザー、コーチ、メンターときて今度はファシリテーターなんだそうだ。厄介な。新語で「需要創造」をしようとするアメリカ半可通の姿が見え隠れする。本当に人の理解を助けようとして言葉を使っているのか、それとも解説書が必要な言葉を順繰りに創造しては解説書で儲けようと言うのか?
「親切な言葉は短く、簡単に言える。だが、その反響は、ほんとうにいつまでも続く。」(マザー・テレサ)
▲ 2005-12-10 [私の雑談]牛久の雑談

その場で持っていたい本
本を読むなら、そのままで死んだときに立派な人だったと思われるような本を読め、とアメリカのユーモリスト、P.J.オールケが言っている。日本の大多数の課長係長は、漫画か会社の書類を手にして死ぬだろうから立派な死に方であろう。また最近は私のような学者の同僚も、漫画しか読まない、映画も漫画しか見ない輩が増えてきたから、立派さの基準は時代とともに移る。イギリスの作家チェスタートンが文人仲間と雑談に及び、無人島に流されたら、どういう本を持っていればよいだろうか、という話になった。ある敬虔な友人は聖書と言い、別の思索好きの友人はシェイクスピアだと言った。チェスタートンは、「造船学入門」だと断定した。
さて、私は昨日、藤村詩集を手にして水戸に仕事に出かけ、萩の花咲く偕楽園で若き時代を思い出しながら読み始めたが、折からの雨に、どんな本を手にしていようが死ぬのは嫌だと席を立った。ま、本を手にして死ぬより人の手を握って死にたい。その人がだれかは、人さまざま。
▲ 2005-10-10 [私の雑談]牛久の雑談

現場にいてほしい人、いてほしくない人
古代ローマ帝国皇帝ウェスパシアスは病牀にあって体力消耗し死がまじかだと悟ると、「最上位者たるもの、立ったまま死ぬのが当然だ!」(imperatorem stantem mori opertere)と言って懸命に立ち上がろうとし、それを支える側近の腕に抱きかかえられながら死んだそうです。組織を困難が襲ってもどこにいるのかわからない、司令塔にいるならばまだしも、どこかへ消えてしまっている上司、あるいは適当に財をこさえたらさっさと隠退してしまう上司・・・そういう上司と違うのであります。やがて古代ローマの皇帝は部下の言うなりに擁立・廃位・暗殺されるようになりますが、ウェスパスアスが70歳で死ぬという長寿をまっとうしたのも現場でいつも指揮をとって部下の信頼が厚かったからでしょう。ゆとりとかファミリーフレンドリーとか言い出さなかったせいでしょう。とはいえ、トップに出てきて貰うと困る現場も多いのです。お願いだからどこかに消えていてくれ、こういう上司に限って得意満面で修羅場の現場に現れ、かきまわしぶち壊して去って行くのです。
▲ 2005-09-10 [私の雑談]牛久の雑談

フリードリッヒ二世のお忍び視察

プロシャのフリードリッヒ2世は、お忍びで街を視察することが多かったそうですが、いつもステッキを持っていて、街の中でごろごろしている者を見つけると、「コラ!働け!!」とステッキを振り下ろしたそうです。尻をいやというほど叩かれても朝日新聞は売られていませんでしたから「体罰反対!」という投書もできなかったのです。
フリーター、ニート論議が盛んですが、論議をしたり本を書いたり、就職支援のコンサルタントに予算を使う余裕があったら、厚生労働省、文部科学省の役人みな、街にステッキを持って出たらどうかであろうか、と思いますね。
しかし国民年金の徴収率を見ても、霞ヶ関の人にとってはどんな問題もみな、他人が現場で苦労すべきこと。予算をとり、つければそれで終わり、なのでしょうね。あるいは、フリーター、ニート対策の予算を談合であちこちの業者などに振り分ける財団か社団法人か特定法人か、なんぞにお忍びで天下れば終わりなのでしょう。
私の親父が水戸黄門を楽しみにしていた頃は、私は親父を馬鹿にしておりましたが、昨今は勧善懲悪、正義は勝つ、っていう筋書きのテレビドラマが楽しみで。もちろん牛久駅前にたむろする高校生にステッキを振り下ろしたりはしません。若年者に職がなくて可哀想だ、などとは決して思わないだけです。
▲ 2005-06-30 [私の雑談]牛久の雑談

「化粧」嫌い
アルコールの語源がわからずにいた。アラビア語からだとは知っていたが、いかんせんアラビア語ができない(大阪弁は忘れ、茨城弁は修業半ば、標準語は・・嫌いであって、日本語もできるかどうか、怪しい)。アルは接頭語、英語でいえばtheであろうが、コールは炭のことであろうと推測していた。が、なぜ炭を飲まねばならぬか、わからぬ。臥薪嘗胆なら胆を舐めねばならぬが、塩辛なら舐めてもよいが、炭は舐めたくない。というわけで、私の推測は出鱈目であろうとは思っていた。が今月になって、二つのことを碩学の知人より教わった。まず、臥薪嘗胆という言い回しは勝手な造語で、嘗胆は古くからの伝説に従うが、臥薪はあとからとってつけたものだということだ。第二は、アルコールとは、やっぱり炭のことで、もともと、古代アラビアの女性が、アイシャドーとして炭の粉を使って瞼を黒く塗った。日本のお歯黒ならぬ、お目黒かね。やがて、スピリッツを抽出するときに炭で濾したところから、アルコールが酒の意味になった、とか。女性が化粧をする理由はわからぬが、私が酒を飲む理由と同じであって、他人には理由なくとも本人には理屈がある。いや理屈なく酒が好きであって、故知らずして他人の化粧は嫌いである。とりわけ就職情報雑誌に満載されている面接に受かるための化け方なんぞの訓話は、大嫌いである。言っている方も書いている方も、従う方も、またそれを許しているかのごとき採用側もゴジャッペじゃなかろうかと。とはいえ、こちらがアルコールで朦朧としている間に、醒めた目で厚化粧した奴が、勝ち進んでいるのであろうな。
▲ 2005-03-30 [私の雑談]牛久の雑談

「夢」嫌い
「ユートピアを含まない世界地図は、ちらっと眺めるにも値しない。なぜなら、その地図は人類のいる国しか示していないからだ。それで、およそ人類がいれば、人類は外を眺め、よりよい国を探し、それを求めて出航する。進歩とはユートピアの実現である」(オスカ-・ワイルド)。しかし社会主義のユートピアが実現した独裁国のリーダーの誕生日祝賀のビデオぐらい、おぞましいものはありません。今年の年賀状で多かったのはブッシュとアメリカの悪口を書いたものでした。私は別にブッシュとアメリカの味方ではありませんが(政治に関心がないので)、北朝鮮と金主席の悪口を書いた年賀状が一枚もなかったのはどういうわけでしょうね。そういえば、フセイン健在のころ、労働組合はフセインの独裁けしからんとデモはしませんでしたが、アメリカが攻め込むと平和と言ってデモをしました。平和主義は、その程度のものです(私は平和は好きですが主義は嫌いなたちで)。

夢見るロメオにマーキューシアは言います、
「そうだとも、おれは夢のことを話しているんだ、
夢は、動かぬ頭脳の子供なのだから。」
「空虚な妄想以外からは生まれぬもの。
夢は空気のごとく、内容はなく、
風よりも定めない。風ならば取り入るさ、
今は冷たき北の大地に向かって。
そして、つれなくされて、そこを離れ
雨多き南の大地を口説きにきっといく。」

無節操な風の方がましかな。勝手な夢の実現に他人を巻き込む嵐よりは。さて、人は、最近の子供達は夢を見なくなったからけしからん、と言います。が、現実をみなくなった大人より、ましではないかと。
▲ 2005-02-15 [私の雑談]牛久の雑談
最終更新日 ( 2008/01/15 Tuesday 14:06:42 JST )
 
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