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氏家麻夫さんと筑波万博の思い出 


| 氏家麻夫さんと筑波万博の思い出 |
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思い出、と書くと、なくなったのか、と思われ、失礼な表題である。氏家麻夫さんと「筑波万博の思い出」という意味であるが、氏家さんのことも時折思い出す。
もちろん、氏家麻夫さんは、かくしゃくとしておられる。それが証拠に、今日、CDで『記念館構想から生まれた国際科学博』と題したものをいただいた。 ☆氏家麻夫さんは技術の専門を学んで労働省(いまの厚生労働省)に入り、科学技術庁普及啓発課長時代に万博のPRに当たられ、その後、日本労働研究機構(いまの日本労働政策研究・研修機構)のリーダーの一人となられた。これだけでも多才であることがわかる。多才といっても天分のことではない。万博自身が、一つは氏家さんのアイデアと努力のたまものであるから、時代を切り開くための努力に多様なバックグラウンドを生かされたという意味である。私は技術屋ではないが、技術屋には尊敬するべき人が多い。少なくとも事務屋よりも。だがおそらくは労働省では事務屋が威張り、技術屋の地位は低いのではないか。同様に労働研究者にも技術・技能の制約を理解できぬ文系が多すぎないか。 ☆氏家さんは、さらに人材市場ジャーナリズム業界のリーダーの一人となり(労働市場流動化時代にも職業紹介を国がほとんど独占していた時代に、先見性があったわけである)、また、以上の多忙な合間をぬって、たくさんの経営史・職業史に関わる著作をお持ちである。暇がいっぱいあるのに著作のない大学研究者怠け者集団がもっと予算をよこせ、よこさないと研究はできないと政府に詰め寄るのは通例だが、個人の努力で研究成果はきちんと出せる。 ☆氏家さんを時々思い出すのも、氏家さんが私のキャリアモデルの一人であるからで(勝手にそう思っているので、私ごとき象牙の塔の中の暮らししか知らぬ者には失礼であるが)、なにより老後、かくしゃくとして生きる、また日常業務にのみ押し流されず、筋の通ったライフワークを持つ、これはこれから見習いたいところである。 ☆科学博が2000万人を集めたのは、たまたま私が土浦に住んでいた時代で(今も茨城県牛久市という、つくばの隣に住んでいる; 里山を愛して、ではなくて、職場近くに家を持つ金がないだけのことである)、現在も農業から先端技術まで(いや、農業こそは先端技術である)、多くの研究がされている。 ☆そういう研究は、だいたいが、すぐには成果など出ない。もちろん、いつまでも成果を出さないご同業の学者連中を擁護するつもりはないことは先に書いた。が、すぐに成果を出ないことに金を出して悠々と見守るのが先進国の見識である。最先端科学に関わる予算を、科学について何の知識もない「仕分け人」がテレビのショーよろしく切って捨てる、それに国民が拍手をする嘆かわしい世ではなかったのが、その技術博のころであり、見事にもの作りで世界一の水準に日本は躍り出た。躍り出たとたんにその成果を「金融事務屋」が奪って台無しにした。 ☆今や「仕分け人」たちは、官僚敵視を止めない。公務員一人残らず恥知らずであるかのように扱う。もちろん氏家さんのような方はたくさん公務員にもおられるし、デタラメをやり尽くすひとは民間企業にも政治家にも、納税者にも住民にもいる。 ☆「仕分け人」やその喝采者の敵視の対象になったものの一つに上に書いた日本労働政策研究・研修機構がある。かく言う私とて、では機構のやっていることすべてが正しいとは思わない。たとえば政策批判なくして政策研究は完全ではありえない。が、そんなことはわかりきったことで政策批判をやりたいひとはそこへ勤めなければいいのであり、勤めている者を無駄飯食いのような言い方で攻撃すべきではない、と私は思う。何しろ、政治家が一番、無駄と思っているぐらいであるが、攻撃はしない、無視をする。 ☆私の知る技術者や、また氏家さんが取り上げた実業家や新職業のパイオニアたちの多くは政治などに興味は持たぬ。ひたすら目の前の課題にとりくむのである。もちろんテレビの社会評論ニュースショーをひまったらしく見ていることはない。 ☆宇宙のかなたから船がもどってきた。数年、私は思い出すこともなかった。多くの国民がそうであろう。しかしその間もじっと見守っていた科学者の群れがいたのである。 ☆閑話休題。経済の明日を作り出す職業の未来に関わるのが労働政策者のはずである。ところが労働政策者にも労働研究者にも科学・技術に暗い者ばかりが偉そうにしている、それが残念だ、と書いたことを思い出した。しかし、首相が東工大を出ているから立派だと言いたいのではない。すべからく、首相には、またトップには興味がないからである。もちろんわが社のトップにも。 |
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| 最終更新日 ( 2010/09/14 Tuesday 17:22:58 JST ) |
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